「朝陽とは専門学校が一緒で就職してからも仲のいい友人です。

だけど、朝陽は男ばかりの学校でやっていく上で男から言い寄られたりするのが嫌で、俺も同じで、お互い車が好きでそれだけに集中したくていつも一緒にいました」

そう、はじめて話しかけてきた日、朝陽は俺にこう言った。

「ねぇ、私に興味がないなら私と卒業まで付き合ってよ」

「はぁ!?」

怪訝な顔をする俺に

「私、香田くんのことは絶対に好きにならないし、香田くんも私を好きにならない。

学校にいるときだけでいいから、隣にいて。

付き合ってってそうゆう意味。

恋人じゃなくて、ふりをするわけでもない。

ただ隣に、一緒にいるだけ。
どう?
それだけで十分効果的だと思わない?」

「ふっ、おもしれーやつ。
絶対に俺を好きになるなよ?
約束だ。

それが俺の隣にいる条件」

「もし…万が一好きになったら?」

「その時は友達じゃなくて、ただの
名前を知ってるだけのいちクラスメートだ。

俺は佐藤には絶対に惚れない。
だから佐藤も俺に絶対に惚れるなよ?」

八年前に交わした朝陽との約束をはっきりと思い出しはっとした。

もしかして朝陽は……。