「お母さん、嘘をついていてごめんなさい！｣

家に入るなり朝陽が正座して床に手をつき顔が床につくほどに頭を下げた。

「蓮司は全然関係ないから！

私が勝手にお見合いがいやで恋人がいるって嘘をついたの…。

連れてこいって言われても蓮司なら恋人のふりを断らずにしてくれると思って勝手に蓮司の名前を出したの

お母さん、それから蓮司、ごめんなさい｣

頭を下げたまま朝陽が苦しそうにお母さんに謝った。

「顔をあげなさい朝陽。
なんで蓮司くんなら恋人のふりをしてくれるって思ったの？

結婚してるでしょ彼は。

奥さんが嫌な思いするって思わなかった？｣

「…まだその時は…結婚してなかったし、蓮司には彼女がいなかったから…｣

「あなたたちはどういう関係？
以前お付きあいしてたの？｣

お母さんの視線が俺に向いた。