押し黙ったままの俺に、痺れを切らした愛美はひとつため息をつき

「じゃあ、私もう仕事に戻るから」

と背中を軽く叩いて背を向けた。

何やってるんだ俺は…。

明莉を泣かせてばかりだ。

仕事の忙しさにかまけてばかりで結婚式を指折り数えてなんていやしなかった。

明莉は…………。

壁に張られたカレンダーに毎日その日を指折り数えて、楽しみにしながら記入していた。

【結婚式まであと何日!!】と。


本当に嬉しそうに、幸せそうに笑っていた。

会社に連絡を入れたところで携帯の充電がなくなった。

明莉に連絡を入れたかったのに携帯画面は無情にも真っ黒な画面になってしまった。

病室に戻り、しばらくお父さんの様子を見ていた二人を車に乗せて、朝陽の自宅に向かった車中は重い
空気に包まれて、この後の展開を考えると気が重くて仕方がなかった。