コンビニについて扉を開けようていた私たちの背後から

「ようやく追い付いた!」

という女性の声がして瞬時に私は身構えた。

朝陽さん…。

緊張して思わずぎゅっと蓮司のツナギを掴むと、その手をすぐに蓮司の手が包み込んで、その温かさに心もすっぽり包まれたように安心する。

「うわっ!ほんとに話には聞いてたけどあの蓮司がデレッデレ…」

目を丸くして、蓮司を見つめていた朝陽さんの瞳が、すぐに隣にいる私を真っ直ぐにとらえた。

目が合うと、朝陽さんは数秒じっと私を見つめて…

「はじめまして。
蓮司とは専門学校からの付き合いの佐藤朝陽、宜しくね」

同性さえも引き付ける魅力的な人。

目の前に立った朝陽さんは、ため息がでるほど美人で、その綺麗な笑顔に一瞬見とれつつ微かな違和感を感じ胸がざわついた。

黙って朝陽さんを見つめて違和感が何かを考えていた私は、はっと我に返って慌てて挨拶をかえす。

「総務で自動車保険業務をしています明莉です。

宜しくお願いします。

すみません、あまりにもその……綺麗な方なので思わず見とれちゃって…」

そう誤魔化しつつ、先程から蓮司にベタベタされていたのを見られていたことが恥ずかしくて、ぽっと頬を染めると

「うわっ!可愛い!」

そう言った朝陽さんが私を蓮司の手元から引き離してぎゅっと突然抱き締めてきた。