私も何度か二人が楽しそうに話しているところや、やけに近い距離に立つ佐藤さんを見たことがある。

下に用事で行くときには、だいたいはフロントの竹内さんとのやり取りで、私は佐藤さんとちゃんと言葉を交わしたことはない。

私が一階のフロアーに姿を現すと、佐藤さんは、きまってすぐに蓮司のもとへいきその距離感は…同僚にしてはやや近すぎる距離で、モヤモヤしながら少しだけ気になっていた。

でも、蓮司はいつもさりげなく一歩引いて離れ、距離を取ってくれているが…なんだろう？

ボディタッチが多いい？

私の気のせい…なのかな？

でもっ！

蓮司はあんなにもいっぱいの愛を私に注いでくれているのだ。

昨夜も何度　"好きだ"　と囁き私をその声で、優しい手で、唇で……甘く溶けさせていっただろう…。

あの熱い眼差しを思いだし、思わずポッと頬が赤く染まる。

やだっ！

仕事中に何を思い出してるんだろうっ！

頭を左右にぶんぶをふり、目の前の仕事に神経を集中させた。