結局三人は、それぞれ自分の車で近くのファミレスに向かうことになり、俺は明莉の待つ家に真っ直ぐ帰るためみんなとは駐車場でそのまま別れた。

長年の付き合いの片瀬さんのアイコンタクトに気づいた俺は、二人の車を見送ると、その場に留まる片瀬さんの車に近づいた。

運転席の窓を開けて待っていた片瀬さんは、眉を潜めて

「香田、余計なお世話かも知れないけどちょっと引っ掛かるんだよな。昔っからの友達かもしれないけど佐藤朝陽とは少し距離をとれよ。

明莉ちゃんが大事ならあまり深く付き合うな｣　

そこで一旦言葉を切った片瀬さんが、目を細めて鋭い視線を俺にむけ、先程よりも低い声で

「明莉ちゃんを泣かせたり傷つけたら佐藤でも、それがたとえ香田お前でも俺が許さないから覚えておけよ｣

そういい放ち、すぐさまいつもの片瀬さんに戻り

「じゃあな、気を付けて帰れ。
しっかり明莉ちゃん充電しろ。
お疲れ！｣

と片手を挙げて車を出した。