「ぷっっ!あははっ、可愛いっ!!

やばいっ!どんだけ嫉妬深くてデレデレなのよ。

女には冷たくて無愛想な姿しか知らなかったけど……。

ふーん……… "明莉ちゃん" にだけ見せる私の知らない "特別な蓮司" がいるんだ」

それはほんの一瞬だった。

笑いながらも一瞬、俺を射ぬくような冷たく鋭い視線の朝陽と視線が絡み、ハッとして息をのんだ。

すぐにまたその瞳は、いつもの柔らかな穏やかなものへと変わった。

俺の勘違いだったのか?

一瞬垣間見た素の朝陽に微かに頭の中で警告音が鳴り響く。

明莉には近づけてはいけない。

八年来の友人朝陽を、この時俺ははじめて "女" なんだと強く意識した。