「お疲れ様です。
早く帰って明莉さん存分にチャージしてくださいよ、香田さん｣

「…気安く"明莉"って呼ぶな、竹内｣

じろりと竹内を睨むと

「えー！？
だって"香田さん" じゃややこしいじゃないですか！
片瀬さんはよくてなんで俺はダメなんですか？
じゃあ。奥さんですか？｣

「奥…｣

思わず顔がにやけだす。

「佐藤さん、ご覧の通り香田さん奥さんにデレッデレなんですよ。
ビックリですよね？

以前のクールで無愛想な姿はもはや存在しないんですよ｣

「うるせぇ｣

もう一度竹内のことを睨みつけた。

「でも、面倒見がよくてお人好しなのはかわりませんし、むしろ結婚していい意味で変わりました。

俺は明莉さんをものすごく大事にして、人目もはばからず好き好きオーラ全開の今の香田さんのほうが以前の香田さんより好きですけどね｣

「だからっ！
明莉って気安く呼ぶなっ！｣

ポカンと知らない人を見るような目で俺を黙って見ていた朝陽が、突然肩を震わせお腹を抱えて笑いだした。