「終わった…!
朝陽、竹内~!遅くまで悪かったな。それから片瀬さんもありがとうございます」

「何言ってるんですか。
仕事です。香田さん、もっと俺たちに頼ってくださいよ。

これから一緒にやっていくんですから」

上期決算、慣れない作業に始めてやる業務に、思ったよりごたつき気がつけば十時になっていた。

「んー!もうお腹すきすぎ。
みんなでご飯行こうよ」

帰り支度をしながら朝陽がそう呼び掛けると、

「そうですね。腹減りましたね」

と竹内が直ぐに答え片瀬さんも

「いいね、俺も混ぜて」

と返事をして三人が俺を振り返る。

「悪い、俺帰るわ。付き合えなくてごめんな。
遅くまで仕事させたのにおごれなくて悪いな。
近いうちに埋め合わせするよ」

帰ろうとする俺の腕をつかんだ朝陽が、ムッとした顔で絡んできた。

「ちょっと待ってよ!付き合い悪いな蓮司」

「悪い、朝陽」

捕まれた手を振りほどこうと朝陽の手を掴むと、腕から離れた手がぎゅっと俺の手を掴んだ。