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壁にかかった時計を見上げると八時をゆうに回っていた。

「はぁぁ｣

パソコンに視線を戻し思わずため息がこぼれた。

工場長に上がってから、仕事の日には明莉と夕飯を一緒に食べることができなくなった。

残業続きで、俺の帰宅までまたせるわけにはいかないので、八時を過ぎたら先に食べることを約束させた。

慣れない業務に毎日疲弊して、帰宅しても明莉には毎晩キスを落として抱き締めて寝るだけの気力と体力しか持ち合わせてなくて…最近の俺はイラつきぎみだ。

眉間にシワを寄せながら仕事をする俺のデスクにコーヒーがすっと置かれた。

「少し一息ついたら？
ここ！シワよってるよ｣

くすりと笑った朝陽が人指し指で俺の眉間に触れてきて、慌てて体を後ろに引いて朝陽から離れた。

「触るなよ｣

ぶっきらぼうに答えるとさらに一歩近づいてきた朝陽が

「何怒ってるの？
蓮司仕事一人で抱え込みすぎ！

もっと私や竹内くん頼って仕事まわしてよ！｣

近くのデスクから椅子を引っ張り、俺の隣に座り込んで俺の方に身を乗り出してキーボードを叩き出した。