と言って歩き回ること三時間。
「な、なにも思い出せませんわ…。」
そうよね、ただ目的もなしに歩いてるだけでは、思い出せるわけありませんよね。
そう簡単に、何もかも思い出せるわけ、ありませんよね。
「もうすっかり夜になったことですし、そろそろ帰りましょうか。」
お母様もご心配なされることでしょうし。
と、思ったら、いきなり肩をたたかれまして、
「うっひょー!超美人じゃん!ラッキー!!」
そこにいたのは、いかにも柄の悪そうな方々。
「な、なんでしょうか…。」
こ、怖いですわ…。
「お姉さん超可愛いねー!俺らと遊ぼうよー!!」
や、やっぱり!!
「いえ、結構です!急いでいるので!」
早く逃げなければ!
「まあまあそう言わずにさー。ちょっと来いよ。」
「キャッ!」
相手は三人いるのでどうしても逃げきれず、薄暗い裏路地まで連れて行かれる。
「離して!離してください!!」
「いやー。こんな可愛い子とヤれるとかマジ興奮するわー。」
「おいおい、お前独り占めすんなよー。俺ら二人もいるんだからなー。」
そう言って私の太ももを撫で始める。
制服のボタンも引きちぎられて、肩と制服の下に着ていたキャミソールが完全に出ている。
「嫌!やめてください!!」
「やめてくださいだってさー!お嬢様かよー!!しかも泣いちゃってさー。マジそそるわー、この子。」
もう、ダメだわ。
ああ、お母様とお父様に言われたのに。
A区には近づいてはいけないって言われたのに。
言いつけを無視したバチが当たったのね。
「おい、てめーらなにやってる。」