ああ、すっかり忘れていましたわ。



「ブラッドの方々に制服のブラウスを破られてしまったので、恭也さんがジャケットを貸してくださったのです。」



「へー!恭也がー?」


そう言って恭也さんの方をニヤニヤと見る唯斗さん。



何がおかしいのでしょうか?



ポカン、としていると唯斗さんが私に耳打ちされまして、



「恭也、絶対自分の服とか貸さないから。麗花ちゃんが初めてだと思うよ。」



ドクン



心臓が高鳴るのが、自分でもわかりますわ。



私が、初めて…。




「おい、余計なこと吹き込むんじゃねーぞ。それとお前はこっちだ。」




そう言って恭也さんに腕を引かれて、奥の部屋へと案内される。



バタンッ



案内されたのは、とても広くて洗練されたお部屋。