そう、私が携帯の画面を爪でたたいていたのはモールス記号でSOS、と送っていたからでして。



お電話が恭也さんに繋がってよかったですわ。



「すみません、ご迷惑をおかけして。」



「いや、全然迷惑ではない。謝ることもない。」



そう優しいお顔で言ってくださる恭也さん。



「それと、これ着てろ。」



バサっとご自身のジャケットを掛けてくださる。



「?」



「その、ブラウス、破けてるだろう。」



っ!!!



そうでした!!



お恥ずかしいですわ!!



「あ、ありがとうございます…。」



「四宮が校門の前で車を用意してるから、いくぞ。」



はい、と言って立ち上がろうとするも、足に力が入らないわ…。