そ、それはみなさん仕方なく仮の姫の私を守ってくださってるだけであって…!
そう言おうとしたら、宮瀬さんに思いっきり突き飛ばされて、尻餅をついてしまいました。
「キャッ」
「まあいいわ。ていうか本当人間ってわかんないよねー。
成績優秀、品行方正な高宮グループのお嬢様が暴走族に手を出すとか。」
ジリジリ、とみなさん少しずつ近づいてこられる。
「この子意外と裏でははっちゃけてんじゃねーのー?!」
「うっわ、この顔で実はヤりまくってるとか興奮するんですけどー!!」
な、何をおっしゃっているのでしょうか…
とにかく、私はポケットの中に入っているスマホを手探りで操作し、誰かもわからない番号に電話をしました。
この番号が、恭也さんだといいのですが、
「まあただ総長に差し出すのも勿体ないしさ、
楽しもうよ、高宮さん。」
ワンコールの後にすぐ出てくださったわ。
そのあと爪で素早く三回、ゆっくりと三回、そして素早く三回スマホのスクリーンをタップしました。
どうか、気づいてください!!