「ブラッドは犯罪を多々起こして関係のない一般の人たちも巻き込んでしまうタチの悪い族です。



そんな族のメンバーに目をつけられてしまったんです、麗花さんは。」



え?


私が?



「でも、どうして…?」



「麗花ちゃんを襲ったのがブラッドのメンバーだってことは言ったよね?



それで青龍の副総長である龍斗に助けられたことから、青龍の新しい姫なんじゃないか、って噂されているんだ。」



ひ、姫?!



私が?!



「え、っと、姫とは、なんでしょうか?」



「姫っつーのはまあ簡単に言えば族全体が守るべき存在、みたいなもんだ。あと総長の女でもある。」



そ、総長の女…?!



「え、で、でも私は姫はありませんわ!」



「はい、でも一度族の間に広まった噂はそう簡単に消せません。



おそらく麗花さんは青龍を潰そうとするあらゆる族に狙われるでしょう。」



ね、狙われる…?!



「そんな…。」



ひどいわ、私はただ記憶を取り戻したくて歩きまわっていただけなのに…。



どうして、こんなことに…。