艶のある黒髪に、同じ色の黒い瞳。
怖いくらい整ったお顔に、180cm以上はある身長。
なんて、美しいお方なのでしょうか。
「…茉理。会いたかった。」
そう言って私をきつく抱きしめてこられる。
「…私は、『茉理』さんではありません!」
そう言って彼を押し返して、一目散に走り出しました。
「ハァ、ハァ、」
なるべく遠くに、遠くに行かなければ!
そう思って走っていると、
「お待ちください、麗花様!」
「ッ!」
後ろを向くと、運転手の方がお車の横でドアを開けて立っておられまして、
「遅いので、お送りいたします。」
そう言って
私を車の中へとリードしてくださいました。