「すみません、でも本当に人違いなんです。」


「龍斗、どういうこと?」



「おれにもわかんねーんだ。とりあえず、恭也はどこにいる?」


「恭也さんならまだ出かけてますよ。そろそろ戻ってくるんじゃないっすか?」


龍斗、と呼ばれたのはさっき私を助けてくださった男の人。


「こいつ俺らの名前も覚えてないらしいんだ。恭也が来るまでこいつに自己紹介でもしとけ。」



そう言われて龍斗、という方にソファーに座らされる私。



「えっと、はじめまして。高宮麗花と申します。」



そう言って周りを見れば、みなさんやはり信じられない、というお顔で私を見ていらっしゃいます。



「え、っと俺は椿唯斗。よろしくね、麗花ちゃん!」



悲しそうな顔をした後に、無理に笑顔を作る椿さん。



茶髪にピアスで、すごく女性受けしそうな甘いお顔をしてらっしゃいます。