車まで連れて行かれますと、運転手の方が窓を下げて驚いた顔で私を見ました。
「こ、これは!茉理さまではございませんか!」
ささっと車のドアを開けてくださって、私を中へと入れてくれる。
え
って何見ず知らずの人の車の中に入ってるの私?!
私茉理じゃないのよ!
なんて思っているにもかかわらず、さっきの男の人が乗ってすぐに車が動き出しました。
それにしても、ずいぶんと高そうなお車ね。
ってそうではないのよ麗花!
これは誘拐ではなくって?!
「おい」
一人で色々と考えていると、隣に座っておられるさっきの男の人が怒った顔で私を見ていました。
「あ、さっきは助けてくださって本当にありがとうございます!」
お、お礼をし忘れてしまったのを怒っているのでしょうか?