あんなに怖いのが苦手なのに、肝試しが楽しみなんて、私って変だ。
でも、それほどまでに橘くんって私な感情の大部分を占めてるんだなぁ、なんて思って嬉しくなる。
「でも、無理だと思ったらやめていいんだよ?怖くなったら、ほら、途中退場できるし、!」
「うん!…でも、橘くんがいるから大丈夫!」
心配そうなあずちゃんに、笑顔を一つ。
いつもありがとう、なんて心の中で呟いた声が、あずちゃんには聞こえてる気がした。
「美憂肝試しいくの?」
そう、会話に入ってきたのは空くんで。
いつのまにか学校に来てたみたいだ。
「うん!いくよー!」
空くんにもニコッと笑って見せる。