「へぇ…、空先輩のこと、だいぶ信用してるんですね」
「うん!もちろんだよ!」
それほど、空くんは私にとって大きな存在で、それは空くんだけじゃなくて、
あずちゃんも唯斗くんも。
たぶん3人も私のことをそう思ってくれているはず。
私が迷わず返事をしたとき、橘くんの顔が不機嫌に歪んだ気がするのは、気のせいだと思うけれど。
「…でも、たしか空先輩、女バスの先輩に誘われてましたよ…」
「え!?!?」
それは初耳だ…。
あいにく、私はまだ空くんを誘っていなかったから、その誘いにのったかもしれない。
しかも、空くんはモテモテだから、誘ってきたのが1人とは限らない。
このチャンスを機に、空くんに近付きたいと思ってる子はたくさんいるだろうし、いつも空くんと一緒にいる私が、その子たちのチャンスを奪ってはいけない気がする…。
……困った。