自分で自分を犬みたいに表現するのってどうなんだろう、って思ったけど、まあいっか。
「春希って義理堅いだろ?」
「うん、そうだね」
たしかに橘くんはしてもらった恩は必ず返す、といった典型的な義理堅いタイプだ。
そういうところもすき。
こんなこと思ってる自分痛いな〜なんて思いながらやめられない。
「で、美憂はさっき、春希に問題集をあげた」
「うんうん」
「だから、春希に断られた時に、それを持ち出したら、春希は絶対断れない」
「たしかに…」
でもいいのかな…。
なんか、橘くんの人の良さに漬け込むみたいじゃない??
そんな私の心の葛藤を読み取ったらしい親友あずちゃん。
「ほんとに嫌いな人の問題集なんて持ってたかないはずだよ」
「言葉とか態度ほど、春希は美憂のこと嫌いじゃないから大丈夫」
続けて唯斗くんまで慰めの言葉をくれて、なんでいい友達を持ったんだろう、と感動!