「美憂!美憂ってばー!」

「…あずちゃん?」




ぼーっと考え事をしていたら、時間がいつの間にか過ぎていて、もう2時間も授業が終わっていたみたい。




「大丈夫?」




わたしの顔を覗くあずちゃんはとても心配していて。

わたしの方が大丈夫か問いかけたいくらい今にも泣き出しそうだった。


あずちゃんは私のことをとても心配してくれるってわかってたのに。

また心配させちゃった。




「ぜんぜん!なにもないよ!ぼーっとしちゃっただけ!」




いつものようにへらへら笑ってみせると、少し顔を引きつらせたままあずちゃんも笑ってくれた。




「また橘くん?」

「んーん、ちがう」



なんなら今日の私は橘くんと朝から挨拶できたんだから、ご機嫌なのだ。