「ねぇ、璃真も私が魔女の子どもだって知ってたのかな?」
 「まぁ………あいつは鋭い奴だから、知ってただろ」
 「…………そっか」


 璃真は、空澄が魔女の子どもだと知っていたのだろうか。
 けれど、彼はそれを知っても全く変わらずに子どもの時のまま接してくれた。彼は自分が何者になっても、何をしても一緒にいてくれたんたんじゃないかと、空澄は思った。


 「璃真が白骨になって見つかったの、知ってるでしょ?」
 「あぁ」
 「それって、やっぱり魔女とか魔王が関係してるって希海も思う?」
 「それは、そうだな……。」
 「…………なら、私、魔女になる」
 「空澄………」
 「璃真が私のせいで何かに巻き込まれたなら、それを知りたい。知らなきゃいけないと思うんだ」


 知らないの知ろうともしなかったからなのかもしれない。
 等の本人は気づかないで生きてきたのに、隣にいた璃真は気づいていた。
 知らないところで、守ってくれていた。それは両親、祖母、璃真、そして希海。

 両親が望む、幸せな生活を進むのがいいのかもしれない。それを望んでいてくれたのだから、それが幸せなのだろう。

 けれど、もう空澄は知ってしまった。
 一人のうのうと生きてきてしまった事を。そして、助けられていた事を。