「え、うん……どうして分かったの?」

「この手紙を読んでいた時のお前の表情が、そう言っているように見えた。日本で生まれ育ったお前が、日本語の文に違和感を持つんだ。確実に言えるのは、罪から逃れようとしたか、罪を押し付けようとしたかの2択だ」

「それだけで何でその2択だって断言できるんだい?」

僕が問いかけると、ホームズは「そうだな。じゃあ、ワトソン。秀介ってやつに聞いてみろ」と僕に手紙を渡して微笑んだ。

「え、分かった……秀介。この手紙を読んでみて」

僕が秀介に手紙を渡すと、秀介は手紙に目を通す。

「君が好きすぎて、気持ち悪いぐらい好き……?」

秀介が読むと、マイケルさんは「それは、どういうこと!?」と日本語で話しかけできた。ウォーリーさんも不思議そうな顔をしている。

「翻訳アプリでも使ったんだろ。日本語が使えるマイケルさんかウォーリーさん、秀介に罪を押し付けるためにな」

「で、でも……秀介でも、たまに日本語がおかしくなる時あるよ?」

「犯人は、それを利用しようとした。ワトソン、秀介に俺が言うことを通訳してくれ」

「それは、構わないけど……」

僕が言うと、ホームズは微笑んで口を開く。

「秀介なら、この手紙を書くとしたらなんて文で書く?マイケルさんも考えてみて」

「俺なら……『君のことを考えると、夜も眠れなくなる。それぐらい好き』……とか?」

「僕は、素直に『愛してる』って書くかな~」