「この手紙を見た時から、俺は2つの考えがありました。1つはさっき俺が言ったように、秀介とウォーリーさんに罪を押し付けようとするため」

「もう1つは簡潔に言いましたが、文章をわざとおかしく書いたり、殴り書きをすることで、犯人は日本語が出来る人ではないと思わせるため。俺があの推理をした時、マイケルさんは異常に食いつきました」

「なぜ、俺が『罪を押し付けるため』の考えの方を中心に言ったのに、食いついたんです?手紙のことを知っていたから、過剰に日本語が出来ることをアピールして、罪から逃れようとしたのではありませんか?」

「でもさ、ホームズ。それだけじゃ……」

「あぁ。それだけじゃ、マイケルさんがやったって言えねぇよ。カエデさんの遺体や部屋を見て確信したんだ。カエデさんの遺体には、暴行によるアザがあった。結構前のから最近のまで……あなたは、脅したのでしょう。『アメリアと喧嘩して、この部屋に閉じこもれ』……と。この紙が証明しています」

ホームズが手に取った紙を、皆に見せる。ホームズがさっき見つめていた紙だ。

「それは、モールス信号……?」

僕が呟くと、ホームズはうなずいた。

「これを解読すると『SOS』。この広告は、昨日の新聞に入っていたものだ。玄関に着く防犯カメラを確認したところ、誰も客なんて居ませんでした……そして、マイケルさんを脅した後、自分はこの部屋で待機をした」

「……だから、開始した時、マイケルさんがいなかったのか……」

納得のいく顔を、アメリアさんは見せる。