「……」

ホームズは、マイケルさんから話を聞いたあと、遺体を観察して辺りを見回す。カエデさんの体には、アザがあり、ホームズは折りたたまれた紙を手に取った。何かの広告のようだ。

あ!この大安売りのやつって……昨日の広告だ!

その紙の裏には、ペンで『・・・―――・・・』と書かれてある。

ホームズは、その紙を見つめてあごに手を乗せる。

「…………そうか。分かったぞ!レストレード警部。全員をここに呼べ」

ホームズの勝ち誇った笑みを見たレストレード警部は、うなずいて部屋を出ていった。



「それで、犯人は誰なんだ?」

マイケルさんの言葉に、全員の顔に緊張が走る。僕は、ホームズに頼まれて、秀介のために日本語で通訳することにした。

「パーティーの時、マイケルさんは振る舞いたいからと、調理室にいて分からなかったが、アメリアさんとカエデさんは喧嘩をした。それで、カエデさんは閉じこもってしまった、と秀介さんは話した。しかし、数時間が経っても帰って来ないカエデさんのことが心配になり、マイケルさんはカエデさんの部屋に行きました。そこで見たのは、変わり果てたカエデさんだった……と」

マイケルさんが言ったことを簡潔にまとめ、ホームズは言う。

「俺は先程、手紙についての推理をしましたよね?俺は最初、罪を押し付けようとした可能性が高いと思っていました。しかし、それは間違いで、あの手紙を書いて、罪から逃れようとしたんですよ」

「え……?」

その言葉に、僕は驚いた。

「あの推理を披露しながら、皆のことを観察していました。単刀直入に犯人を言いましょう。犯人は――」

「マイケル・ウーリーさん。あなただ」

「え……?」

秀介は、驚いた顔でマイケルさんを見つめる。