指示された4番の男子が、9番の女子に恥ずかしエピソードを披露したところで、王様は割り箸を顎に当てながら次の指令を考え始める。

「次はもっとみんなで楽しめる指令がいいよな……。じゃあ、13番が2番にキスをする!」

 いきなりいろいろなものをすっ飛ばした指令に、ぎくっとする。こんなの隣の教師陣に聞かれたら、お咎めをくらうんじゃ……。

「で、で? 2番と13番、手挙げてー!」

 おそるおそる自分が引いた割り箸の先に書かれた数字を確認したわたしは、思わず自分の運命を呪った。そこに書いてあるのは、よりによって2番。
 どうか13番が女子でありますようにと最後の望みを祈りながらそーっと手を挙げると、隣で手を挙げる気配がした。

「おお! 体育祭委員コンビじゃん!」

 興奮した王様の声に、まさかと思って隣を見れば、皇くんが手を挙げていた。