なんのことだろう。先生がなにを言っているのか分からない。
 戸惑うわたしに、先生は般若のような表情で有無を言わさぬ圧をかけてくる。

「そうだよな? 病人が遊び回ってるんじゃない。送ってやるから帰るぞ」
「な、」
「帰る、ぞ?」

 言い淀んでいると、再度圧をかけてくる先生。もはや脅迫にも近いスタンスだ。これは、首を縦に振らなかったらどんな目に遭うかわからない。

「は、はい」

 すっかり怯えきったわたしは、こくこくと何度も頷いたのだった。