5月21日

 今日は先生が女バレの練習に途中から来てくれた。

 練習が終わった後、自主練にも付き合ってくれた。

 私も先生とレシーブ練習したかったけど、先生はリベロ候補の人たちと練習していたので、セッターのトス練に付き合っていた。


 レシーブ練習を終えて疲れきっていた先生が私に

 「なに練習したいの?」

 と聞いてくれた。私は素直に

 「私もレシーブ練習したかった…。」

 と口を尖らせて言うと

 「はぁ〜。もっと早く言えよ。」

 と笑って言った。

 私が(早く言っておけばよかった…。)と後悔していると、先生は少し休んで

 「ほら、レシーブするぞ。」

 と言ってくれた。対人レシーブだったので、先生を独り占めだった。すごく楽しくて(このまま時が止まれば良いのに。)とどこぞの少女漫画の主人公ような気持ちになった。

 私との練習を終えると先生は汗だくで疲れきっていた。その姿が私のためだったのだと思うと嬉しくて笑みが抑えきれなかった。


 この数分間だけ先生は私だけのもので…、私のためだけに汗を流してくれて、私のためだけに笑ってくれた。そう思うと感極まって泣きそうになってしまった。この思い出だけで一生生きていける気さえした。



 
 「俺そろそろ帰るわ。」

 先生は言った。私は拗ねた顔で

 「さいてー。私バスまであと1時間もあるのに…。」

 と言うと

 「勉強してればすぐだって。」
 
 と先生はいじわるな顔して言った。

 その後似たようなやりとりを何度か繰り返して、結局先生は私のバスの時間までおしゃべりに付き合ってくれた。

 他に後輩とか同期とかが結構いたので2人きりとはいかなかったが、結構2人ではなせた。

 こんなにドキドキしたのは久しぶりすぎてその日は一日中浮かれていた。