入学式以来、私は機会を狙って積極的に先生に話しかけた。

 まだ、先生に奥さんがいるという現実を受け止めきれない自分がいたけど、それならそれで先生にとって1番の生徒でありたいと思ったから…。

 
 努力の甲斐あってか、私は日を重ねるうちに先生と仲良くなれた。多分1年生で1番の仲良しくらいにはなれたと思う。

 でも、先生と過ごした期間は短く、先輩方と先生が築きあげた思い出には全く敵わなかった。

 だからこそ、私は今日も先生に話しかける。

 たとえ叶わなくたって、好きだから。

 どんな形であれ、先生の側にいたいと思った。