1月26日
 
 今日は試合だった。昨日勝ち進んだ私たちは今日も試合だが、男バレは惜しくもまけてしまったので、試合はない。何人か見に来てる人もいたけど。

 あと今日は試合の前に前年度から良い成績を残した人やチームの表彰式があって、女バレの元キャプも来ていた。

 私はチームのみんなと応援席で表彰式が始まるのを待っていた。

 ふと元キャプを見ると先生と楽しそうに話していた。

 私は胸が押しつぶされそうになった。あんな風に元キャプが甘えるのを見たのは初めてで、すごく嫌だった。
 
 表彰式が始まると、先生はステージの横で他の監督方と話しながら、前の学校の教え子の写真を撮ったりしていた。そして、元キャプのも…。


 見てられなかった。先生は先生だから、教え子の受賞姿は嬉しかったのだろう。でも、私以外の女子がそんな風にされてるのが嫌だった。

 ポジティブに考えてみたりもした。

 元キャプを"生徒"として見てるからこその行為だから…と。

 でも胸の傷は癒えなかった。こんな気持ちを抱えたまま試合に臨めないというくらいに沈んだ。



 試合前の練習では割と調子が良かったので、今回は勝てる気がしていたが、チーム全体のサーブレシーブが安定せず負けてしまった。

 悔しくて、しばらく言葉も出なかった。
 
 帰りの支度をして、ボールをバッグに詰めようとしたとき、他のチームのボールが混ざっていたので、私は届けることにした。

 名前は男子のチームだが、ボールの種類は女子のものだったので、どこに届けていいかわからなかった。


 とりあえず体育館へ入ると、ちょうど先生がこちらに向かって歩いてきていた。

 「お疲れ様です。」

 「やっぱ肩開くな。」

 その時はそうアドバイスされて終わった。

 私はボールの件で先生を尋ねると、ボールの持ち主を教えてくれた。



 帰りのバスの中では、先生に話しかけられて嬉しいような、元キャプに負けて悔しいような気持ちが胸を支配していた。