12月24日

 私はクリスマスイブも男バレの練習に参加していた。

 今日はクリスマスだったので、練習終わりにみんなにお菓子を配った。朝コンビニで調達しただけなのに、みんな喜んでくれた。

 こんなささやかなプレゼントに大喜びしてくれて、すごく嬉しかった。配る方もテンションが上がった。

 「先生にもあげてこいよ。」

 (こいつ、私が先生好きなのに気付いてんのかな?)

 そう思いつつも、お菓子を持って先生のところに向かった。

 「先生どうぞ。」

 「なんで、ハッピーターンなの?」

 「クリスマスでハッピーだからですかね。」

 私は適当に返事をした。緊張で頭が働かない。

 「クリスマスなんて、ハッピーじゃねえよ。金ばっかかかってしょーがねぇ。」

 先生は私の夢を壊しにきた。サンタが本当にいるだなんて、今さら信じてないけど。

 「大変ですね。私なんか2人にも誘われちゃいましたよ。」

 本当は言うつもり無かった。でも少しでも先生に嫉妬してほしかった。

 「あっそ。どうぞご自由に。」

 なんか嘲笑いされた?

 私のバカ…。

 先生が嫉妬するはずないじゃん。家に帰って、奥さんとか子どもとケーキ食べたりして楽しい夜を過ごすに決まってんじゃん。

 私は少し暗い気持ちで、学校を出た。

 そこではある男子が私を待っていた。夏休みに私に告白してきた人だった。

 そう、私は今日、そいつと2人きりで遊ぶ約束があった。

 遊んでいる間も先生が私の脳裏をよぎる。

 (こんな気持ちでいるなんて、相手にも失礼すぎる。こっちに集中しなきゃ…。)

 それでも先生を忘れることができなかった…。