その日の部活には、先生の言っていた通り、代わりの先生が来た。ちなみに私はその先生とも仲良しで、私が先生を好きなのも知っている。
まぁ、私がのろけ話したからなんだけど…。
先生はステージ裏の教官室に用があったのか、体育館にやって来た。先生は女バレをちっとも見なかった。
「お前先生いなくなったら、あからさまにやる気なくすやん〜。」
代わりに来た先生に、いじられてしまった。
私は先生が体育館に入ってきたとき、なんだかんだ言っても来てくれる先生が好きだと一瞬でも思った自分が情けなかった。
(1人で舞い上がってバカみたい…。)
そう思った。先生とは目も合わなかった。
「大丈夫、先生来るって。」
その先生はそう言ってくれたが、その発言を私は1mmも信じていなかった。
先生が教官室で用を済ませ、体育館から出て行く。もしかしたら、それはフェイントで出て行ったと見せかけて入ってきてくれるんじゃないか、そう思ったが、体育館の扉は開かなかった。
(やっぱ、来てくれるなんて嘘じゃん…。)
しかし、その30分後。本当に先生は来た。
「じゃあ、バトンタッチで。」
そう言って代わりの先生はいなくなった。
私の心は、どしゃぶりから快晴へと変わっていた。
「何やった?」
とりあえず、終えたメニューを一通り伝えた。
後は、先生がこれやろうとか仕切ってくれた。すごく助かった。2年生がいない間は、私が練習メニューを全て考えていたから…。
「次何やるの?」
と私に聞くばかりで、誰も練習メニューを考えてくれないし、かと言って提案すると微妙な顔をするし…。とにかくどうしていいかわからなくて辛かった。
先生にはそれがわかっていたのかな…。
ありがとう先生、助けてくれて。