9月2日

 今日は体育祭だった。本当は違う日の予定だったけど、雨が降ってしまい延期になった。

 天気が心配だったけど、これ以上延期はできないとのことで、少し曇りの中体育祭は始まった。
 
 私は100m走やクラス対抗リレーなどに参加した。100m走は僅差で2位という悔しい結果に終わってしまったが、クラス対抗リレーでは、見事学年で1番だった。

 先生、私のこと見てくれてたかな。

 100mは1位とって褒めてもらうつもりだったけど、2位だったので報告できなかった。


 順調に種目は進んでいき、次は障害物競走。

 私はバットに入った小麦粉にマシュマロを隠すという仕事をした。少しの風で小麦粉が宙に舞うので、tシャツが凄く汚れてしまった。

 先生も途中で手伝いに来てくれた。先生は小麦粉で手が汚れたとき、私がズボンに挟んでいたタオルを見て、手を伸ばして

 「いいタオルあんじゃん。貸して。」

 と冗談を言って、小麦粉のついた手を私のタオルで拭こうとした。だから私は、やんわりと断っておいた。

 
 次は借り物競走。

 私はお題を出す係だったので、レーンの脇にもう1人の体育委員としゃがんでいた。

 すると、またも先生がやってきて私のすぐ近くに座った。私は先生と一緒に観戦できたことが嬉しくてたまらなかった。

 残り数組となり、もうすぐ借り物競走も終わりを迎える。彼氏が彼女を連れて行ったり、1人の女子を大勢の男子が囲んだりと、見てるだけで青春を味わうことができた。誰も私のとこには来なかったけど…。

 私はレースについて先生と話していた。とはいえ、ずっと私が「うわぁ、青春だなぁ。」とか「羨ましい。」とか1人でベラベラ喋ってただけだけど…。


 最後から2組目は3年生の女子だった。その1人がお題を引くと、こっちに向かって走ってきた。
 
 そして、

 「先生、一緒に走ろっ‼︎」

 そう言って、私の隣にいた先生を連れて行こうとする。

 「なんでだよ。」

 先生はそう言いつつも、立ち上がってその子と走って行った。

 会場では大きな歓声のような悲鳴のような声が湧き上がっていた。

 先生はみんなが見てるから、断れなかったのだろうと思うけど、本当は断って欲しかった。

 "いやだ"って。