好きなふたりは、
それでも良かった。




部屋に戻るのも、
誠実は階段までついてきてくれていた。




周りは駆け足で戻るのも、
ちゃんと見ていたのにふたりの時間を大切にしたくてゆっくり向かう…




『また明日ね…。ありがとう…。』

『ありがとうな。ゆっくり寝ろよ。』

『お互いに…ねっ。またね…』



誠実の前を離れられない…

誠実……?



『どうしたの…?』



何か言いたげな表情でこっちを凝視していたから…



『うん? 何もねえよ…。
可愛いな…そう思って…』

『もういいって…。恥ずかしいんだから……。
明日…』



誠実の口づけは、
必ず私の言葉が中途半端。



『うん…ンンンっ♪』



『おやすみ。光里♪ 』

『おやすみなさい…』