薬品とひとくくりで行ってもかなり種類が多い。
ワンフロア全部が薬品で市販の風邪薬から専門的な手術で使う医薬品まで多種多様だ・・・

先輩は薬品のリストを見ながらものすごい無駄のない速さで薬品を私の持つケースに入れていく。
個々の膨大な量の薬品の場所を完全に把握しているんだ・・・

「もしも薬品を探せないときは入り口にバーコードを読み取る機械がある。必要な薬品をプリントアウトするとバーコードがついていて、そのバーコードを読み取るとどこに何があるか棚の番号が出るから。」
それならできそう・・・

そんなことを考えながらどんどんと重くなるケースを落とさないように必死で先輩について行く。

先輩はあっという間に薬品を集めて持ち出し用のバーコードを読みとった。

「明日からはこの作業はお前に任せる。」
「え?」
扉を出てから先輩はさらっとそんな言葉を口にした。