緊張のあまり思わず喉がゴクッと鳴る。

テーブルの上にはすでにグラスが置かれていて、メイドさんがお水を注いでくれる。

まるでレストランに食べにきたみたい……。


メイドさん5人くらいがテーブルから少し離れたところに立っていて、芭瑠くんのそばに柏葉さんが立っている。

すると正面に座る芭瑠くんが首を傾げてわたしを見ている。


「芙結?どうかした?気分悪い?」

「えっ、あっ……ちょっと雰囲気に緊張しちゃって」


「そんな緊張しなくていいのに?」

クスッと笑う芭瑠くんは、やっぱり余裕があってこの雰囲気に合ってる。


はぁ……わたしだけ浮いてる感が否めないよ。


そして料理がどんどん運ばれてきた。
びっくりしたことに、わたしが食べられない物が出てこない。

不思議に思っていると、柏葉さんがこっそり「芙結さまの好き嫌いは把握しておりますので」と言われて納得。

そこまでリサーチ済みってことなんだ。