「ねぇ、芙結?」

「な、なに……っ?」


相変わらず笑顔を崩さないまま、愛おしそうにこちらを見てくる。


「……このワンピース僕が選んだんだけど、気に入ってくれた?」

「あっ、そ、そうなの?
すごく可愛いなぁって思ったよ」


こんな状況なのに、ワンピースのことを言われて少し拍子抜けする。


「そっか、ならよかった。
芙結に似合うだろうなって選んだから」

変わらず芭瑠くんの手は止まらなくて、ファスナーが下までおりてしまった。


「ひぇ……っ、わっ……」

芭瑠くんの指先がゆっくり、背中をなぞってくる。
びっくりして、芭瑠くんの肩に置いていた手に少し力が入る。


「あと、これを選んだ理由はね」

「……っ?」

片方の口角を上げて、イジワルそうに笑いながら。



「……脱がしやすいから」