もしかしてわたしが脱走したりしたせいで、予定通り進まなかったとか……!?

それなら申し訳なさすぎるし、キャンセル料とか発生してたら……。


「大丈夫だよ。どうして芙結がそんな不安そうな顔するの?」

「だって、わたしが逃げ出そうとしたから、時間なくなって中止になったのかな…って」


「そんなことないよ。
ただ僕の気分。それだけ」


ぜったい嘘。

わたしのせいなのに、わたしが自分を責めないように芭瑠くんが気を遣って嘘をついてる。


「まあ、芙結のお祝いはしたかったけど。僕のお祝いまでそんな大規模にされたくなかったしね」

「僕のお祝い……?」


「あれ、知らなかった?
僕と芙結、誕生日一緒なんだよ?」


「えっ、そ、そうなの!?」


じゃあ、芭瑠くんも今日お誕生日ってこと!?