「ただお父さまは少し厳しく、お父さまが認めるまでは、その子との関わりを一切禁止にされました」


勘違い……じゃないと思いたい。
今この話は……もしかしたら━━━━。



「その代わり認めるまで成長できたら、自由な時間を過ごしていいと条件を出されました。

そこから、芭瑠さまはお父さまが求めることに対して全力で応えていました。
嫌だと逃げ出すことは一度もなく……」


付け加えて、「今の段階で完全に認めていただけたわけではないのですが……」



昔の出来事がすべて重なる。


わたしの前から突然いなくなってしまった芭瑠くんの空白の10年間。


それは今のわたしとの時間を過ごすために必死に努力をして、しかもずっと想い続けてくれたから。


前に言ってた。
芙結のためならどんなことだって乗り越えられるって。


この言葉にまさか、こんな隠された事実があったなんて。