お母さんに少し遅くなるとメッセージを送り、車に乗り込み発車した。


ここだと話しにくいということで、いったんお屋敷に行くことに。

一瞬、芭瑠くんと会ってしまうのではと思って戸惑ったけど、芭瑠くんは今お屋敷にいないと柏葉さんが言った。


そして今回、柏葉さんは芭瑠くんに頼まれたから会いに来たのではなく、独断で来たと話してくれた。


しばらく車を走らせて、お屋敷に到着した。
そのまま客室のような、入ったことがない部屋に通されて、メイドさんがお茶とお菓子を用意してくれた。


そして、しばらくして柏葉さんが中へ入ってきた。


テーブル1つ挟んで、わたしの正面に座る。


「お待たせして申し訳ございません」

「い、いえ……」


「先ほどもお伝えしたのですが、芙結さまをここにお呼びしたのは、聞いていただきたいお話があるからです」

「はい……」