ことの発端は昨日の事。


突然母に呼ばれた。

「あのね、、、

お母さん、再婚する事になったの」


父は私が5歳の時に離婚し、2人で暮らしてきた。


再婚する相手とは半年前程から付き合っていたらしく先週プロポーズされ1週間後にはこっちに来るらしく、、、


「そっか、、、おめでと」


それがまさか、、、

こんな事になるなんて、、、


子供がいるなんて聞いてないんですけど?!


私は目の前にいる彼を跳ね除け、勢いよく階段を駆け下りてリビングの扉を開け、母に尋ねた。


「お母さん!?何で子供がいるって教えてくれないの?!」


すると母はにっこり微笑んで


「だってさ〜、ほら、
悠君って顔整ってるでしょ?
だから〜陽奈にサプライズしようと思って」




いや、そんなサプライズいりませんけど、、、
てか、゙悠君゛ってなんか聞いた事あるような、、、


私が悩んでいると母は「思い出した!」と一言。


「悠君ってば陽奈と同じ学校なのよ〜これも何かの偶然かしら?」


あっ!
思い出した!


母の言ってる゙悠君゙って学年の王子様じゃん!


悠、松村悠は高1の入学式の日に告る子がいる程イケメンで。

いつしか学年の王子様って異名を持つようになった。

高2になってもその人気は右肩上がりでついには他学年まで制覇、みんなはめろめろ。


でも、私はそんな彼の事が好きじゃない。


顔はまぁ、整ってるとは思うけど、、、


するとリビングの扉がガチャッっと開いて
彼が一言。


「陽奈ちゃん、学校一緒に行かない?」


いやいやいや!
どう考えても無理でしょ!!

だって学年の王子様と2人で登校なんて、女子のパッシングをどんだけ受けると思ってるの?!


「いやっ…でも…私学校の準備まだ終わってないんで…」


すると彼はにこっと笑い


「陽奈ちゃんが準備終わるまで
待っててあげるよ?」



結構ですっ!!


「先行っててください…!」


彼を払い除けると


「ちぇ…」


彼が悲しそうに呟く。

悪い事しちゃったかな…


「じゃあ先行くね…」


あまりにもしょぼんとしているからつい


「ま、待って!!」