なんとか足を進めて電車に乗り込んだ。

つり革につかまりながら、駅に着くのを待って降りる。


電車を降りれば同じ高校の生徒がたくさん歩いている。

同じ制服を着ているはずなのに、なんであんなに輝いて見えるのだろう。


「今日は先生に話しかけよーよ!!!」

「えーっ、だって先生全然相手にしてくれないんだもん〜〜!」

「大丈夫だって!!行こうよ〜!」


私の脇を通った先輩らしき人が先生の話で盛り上がっていた。

聞くつもりは全くない。


それでも声が大きいため私の耳にも自然と入ってきてしまう。




「先生って好きな人いるらしいよ〜?」

「ええっうそ!?」


私の肩がビクリと揺れた。

過剰反応してしまっている自分に一番驚いた。



「なんか高校時代の時らぶらぶで有名だったらしいよ〜!わたしの先輩が言ってたの!」

「えーぜったい彼女いないと思ってたのに……」



先生が彼女……?

先輩の声が脳内で何度も繰り返される。