散らばった百合を見つめた。

思いっきり唇を噛んだ。


痛かった……痛い……。



くすくす笑い声が聞こえて視線を向けると、何も面白い事なんてないのに大きな口を開けて笑っている。

これをさせるために連れてきたんだ、と思った。


「でも、この子笑ってないからまだいいじゃない」

「これで笑ってたらむかつくもの」

「もう一生笑わないでほしいわね」



あの時だってーー。


『もう二度と笑わないで!!!!!!』

何回も言われた。



「あんたが死ねばいいのよ!!!!!!」




「はぁ……っ」


ごめんなさい……ごめんなさい……


「ごめんなさい……っ」



私のせいでーー。

両親が消えた。



私のせいでーー。

みんなから笑顔が消えた。



私のせいでーー。

みんなが消えた。






ただ涙を流しているところを見ることしかできなかった。


どのくらい苦しんだのだろう。

私なんか比べ物にならないほど苦しんだはずだ。



そんな人を何人もつくったのは紛れもなく私で。



どうしたら償えますかーー?