次の日。


放課後になって、私は図書室に向かっていた。

閑散としている廊下をただひとりで歩く。



担任にも図書室に行くよう言われて、私は注目を浴びた。

歩生さんたちはあの事件以来、私を呼び出したりすることはなくなった。

ただそれでも相当の恨みをかってしまい、悪口が止まることはなかった。




先生に怒られたのが相当ショックだったのだろう。

私だってびっくりした。

いつもは無表情の先生が怒るなんて。


そしてその時の顔が何よりもびっくりだった。

悔しそうに歪んだ顔。

屋上で空を見ている顔と同じだと思った。





あのように"過去"を思い出させるようなことをされなければいい。

悪口だけならなれているから。


そう言い聞かせて廊下を歩いている。




図書室に行くのは初めてで迷うかと思ったけれど、なんとか辿り着いた。


一応ノックをしてガラガラと音がする扉を開けて、中に足を踏み入れた。