忘れないように生きるってお前のこと想いながら泣いてることじゃない。


思い出を胸に仕舞って強く歩いていくこと。



たとえつらいことが待っていても、きみとの思い出はやさしく背中を押してくれるはずだから。



「もう大丈夫、ごめんな。それとありがとう────」


もう一度空を見上げて強く言い放った。

今日も明日もこの命がある限り生きていくよ。



きみが生きたこの世界を。

きみが生きたかったこの世界を。

きみと過ごしたこの世界を。



美しいものよりもみにくいものが目立ってしまうこのどうしようもない世界を生きていくーー。

笑って時には泣いて。足掻いてもがいて。"想い出"になるまで。


気のせいだろうか。きみが笑ってくれたような気がした。








end