だけど、いま俺の頭には笑ってるお前しか浮かばないんだよ。

「先生」って俺を呼ぶきれいな声しか聞こえないんだよ。



悲しみに暮れてたら、当たり前のことも気づけなかった。


今俺にできることは毎日屋上にきて悲しんでることじゃない。


「生きる」ことしかできない。つまずいて後ろを振り返りたくなっても前を向いて進むことしかできないんだ。


もがき足掻いて生きていくんだ、これからも。


お前は俺の笑った顔が好きって言うけれど、俺だってお前の笑った顔が好きだから。


泣かせたくないから、笑っていてほしいから、約束守るよ。


がんばって生きるから。生きてるだけではなまるなんだろ？


この空を見られるのも、明日を迎えられるのも当たり前じゃない。奇跡なんだろ？



明日を迎えられる保証はない。今日を迎えられたことは奇跡なんだ。お前が最後に教えてくれたんだよ。



涙が零れないように上を向く。笑いたいのにな。


唇を噛んで止めようとしても止まらない。

泣くの最後にするから。今だけは許して。