覚悟して聞いたはずなのに……。


朝日さんが苦しそうに私を見る。その顔が全てを物語っている。



その顔を見せられて何も言われないのはもっとつらいから……。



「お……し……えて」

「ほんとにいいの…………?」

「長くて2週間……かな」




聞かなきゃよかったと心底思った。2週間……?14日……?



今こうして話してるのに少しだけでも動いているのに2週間後にはいないなんて……。


死を間近に感じる恐怖。前だったら「そうなんだ」で終わっていたのに。ぜったいに。



今はそう思えないんだ。なぜだろう。

「そうですか」というのがやっとだった。





朝日さんが病室を出ていったあとも私はさっきのことで頭がいっぱいだった。



明日先生にどんな顔をして会えばいいのだろう。





今日は一番見られたくないところを見られてしまったんだ。

好きなひとにあの姿を見せるのは恥ずかしい。みっともないし情けない。