急に不安になったり、うれしくなったり。情緒不安定な私。そんな自分が大嫌いで。



「は……なす……の……ゆっ……くりで……い……や……じ…ゃ……な、い……?」

「大丈夫、ちゃんと伝わってるから」

「な……にも……で……き……ない……のに?」

「なにもできない?そんなことない。前にも言ったけど花園の笑顔は俺に元気を与えてくれるんだよ」




先生があたたかい笑顔を私に向ける。つられて、いつの間にか私も笑っている。



「花園はいつもありがとうって言うけどさ」


「こっちがありがとうだから」と。





私が笑うと先生は今みたいにいつも頭をポンポンってしてくれる。


前みたいにサラサラの髪じゃなくても。




先生はさっきからずっとしゃがんで私と目が合う高さにしていて。ぜったいにきつい体勢なのに。



先生ありがとう……何回言っても足りないんだ。



私は空を仰いで空気をたくさん吸い込んだ。


やさしい風に吹かれるのも太陽の光を浴びるのもひさしぶり。



先生のとなりで見る空は一番キレイで。美しくて。



「花園と見る空は一番キレイだな」

「わた、し……もおな……じ、こ……と……か……ん……が、え……てた」




先生がうれしそうに頬を緩める。

先生のとなりでずっと笑っていたいと叶うはずのないことを思ってしまっていた。