あんな格好、ボサボサ、ぜんぶ私に向けられた言葉。


血と一緒に涙も滲みそうで。でも泣いたらまためんどくさいひとになってしまうから。



先生だって気づいたはず。先生から見たって私はださい。



"ふつう"じゃない。先生はやさしいから言えないのかな。

そう思ったらまた涙が滲みそうになった。




屋上には誰もいなかった。私は涙が滲んだ目を見られたくなくて下を向く。



病室にいると目立たない私なのに、"ふつう"のひとからするとださいんだ。私だって女子高生。


好きでなったわけじゃないのに……歩きたいのに。


先生にもこんな格好で会いたくない。えらそうに言える立場じゃないのはわかってるけれど。




先生がしゃがみこんで、私と目線を合わせた。


私は見られたくなくてうつむく。


「ご……めん……ね」


ださい私とかっこいい先生、"ふつう"じゃない私と"ふつう"の先生。



「何が?どこがださいの?」